小学生でも分かるトルクと馬力の話
(本当に早いクルマとは?)
2010/01: 発行
2016/06: 追記
2016/06: 追記
第7章:トルクに関する誤解
(4気筒と6気筒エンジンではどちらが優れているのか?)
7-8. ギヤ比
2016/3:追記
以上の話をすると、以下の様な反論があるかもしれません。
確かにディーゼルはトルクがあるかもしれないが、クルマにはたくさんのギヤが付いており、ギヤ比を変える事でタイヤのトルクを変えられるのだから、馬力さえあればエンジンのトルクは重要ではない。

変速ギヤさえあれば、トルクが小さくても構わないのか?
その通りトルクはギヤ比で自由に変える事ができます。
ですから1速で走れば一番トルクが出ます。
ただしそれを言うならディーゼル車も同じで、ギア比を変えればいくらでもトルクを大きくできます。
またプラモデル用のモータにいくら変速ギアを付けても、実際のクルマは決して動かす事はできません。

何が言いたいかと言えば、エンジンのトルクが小さければ、何をやってもエンジンのトルクが大きいクルマには敵(かな)わないのです。
またクルマのトルクで性能を比較するのであれば、エンジン直後の出力ではなくギヤを介したタイヤにおけるトルクで比較すべきとの指摘もあるかもしれません。
確かにその通りなのですが、(バスやトラックと比べる訳ではなく)人が数人乗る程度のクルマであればギヤ比に大差はありませんので、エンジンのトルクで比較してさほど問題はありません。
実際トルクの大きなCX-5(ディーゼル)とトルクの細いトヨタ86を比べてみると、例えば4速におけるタイヤの軸における最終減速比はいずれも4.1と全く同じなのです。
なお極端な事はできないにしても、トルクの大きなクルマは、小さなクルマよりギヤ比を高めに設定し、その分エンジン回転数を抑えられる様にしています。
例えばCX-5のディーゼルエンジン搭載車とガソリンエンジン搭載車を比べると、1割程ディーゼルエンジン搭載車の方がギア比が高くなっています。
また軽自動車はタイヤの径が小さいので(その分小さなトルクで済むので)、この場合も普通車に比べてギヤ比が高くなっています。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、最後にこの話をしましょう。(2016/3/5追記)
ここに2台のクルマがあります。
1台はトルクの大きなディーゼル車で、もう1台はそれよりトルクの小さなガソリン車で、トルク以外は似た様なクルマだとします。
そしてガソリン車はギア比を小さくして、タイヤのトルクをディーゼル車と同じにしたとします。
この場合、当然ギア数を増やさなければなりません。
その2台が同時に発進しました。
ディーゼル車は普通の通りにシフトアップしますが、ガソリン車はギア数が増えた事により頻繁にシフトアップしなければなりません。
時速24kmで2速に入れて、時速40kmで3速に入れて、時速55kmで4速に入れて、時速75kmで5速に入れて、、、とそうこうしているうちに、ディーゼル車は遥か彼方に消え去ってしまいました。
これはかなりオーバーに脚色したストーリーなのですが、ギヤ比を換えてタイヤのトルクを同じにすれば、確かに同じ加速度を得る事は可能なのですが、ギア数が増えた事により頻繁にシフトアップしなければならず、その分ロスが発生する事は分かって頂けると思います。
7-9. ディーゼル車VSスポーツカー
これを実証しなければなかなか信じて頂けないでしょうが、例えば以下の3台がシグナルグランプリをした場合、法定速度内までならどれが早いでしょうか?
③ディーゼルエンジンの日産SUVエクストレイル (トルク36.7kgf・m/2,000回転)
①レシプロ高回転エンジンの本田スポーツカーS2000 (トルク22.5kgf・m/6,500回転)
②ロータリーエンジンのマツダRX-8 (トルク22.0kgf・m/5,500回転)

筆者は、時速40~60kgまではディーゼルの方が断トツに早いと予想しているのですが、皆様(或いは実際)はいかがでしょうか?
さて今までクルマのエンジンについて色々述べてきましたので、次は趣向を変えてクルマに関する雑学についてお話したいと思います。
クルマの剛性や、フォグランプや、更にはワックス掛けに関して、今までの常識と全く異なる主張を展開していますので、もし興味がありましたら覗いてみて頂ければ幸甚です。