小学生でも分かるトルクと馬力の話
(本当に早いクルマとは?)

2010/01: 発行
2017/11: 更新

第2章:トルクとは
(トルクに関する物理の基礎)



2-1. トルクの求め方と単位


トルクと馬力の概要が分かった所で、それではここでトルクの求め方と、その単位についても勉強しておきましょう。

計算が苦手な方は、どんどん読み飛ばして頂いて結構です。

そしてもし、もう少し真実に近付きたいと思ったら、また戻ってきて下さい。

クルマのカタログを見ると、最大トルクが20kgf・mなどと書かれていますが、これは下図のように回転軸に付いた1mの柄の先に20kgの重りを付けた場合の、回転軸を回す力を表します。


自転車で言えば、ペダルを押す力が20kgfで、ペダルの長さが1mという訳です。

この1mに20kgの重りから生じる20kgfの力を掛けるとトルクになりますので、トルクの単位はkgf・mになるという訳です。

また経験があると思いますが、もし柄の長さを2倍の2mにしたら、半分の力でも同じトルクを出せます。


まとめとしては、トルクとは回転軸についた柄の長さに、加えた力を掛けたもので、単位はkgf・mで表す、となります


2-2. 駆動力の求め方


それでは次に、上の20kgf・mのトルクがタイヤのシャフトに加わった場合、タイヤと路面の間に掛かる駆動力を調べてみましょう。


なおタイヤと路面の間に掛かる駆動力とは、人がクルマの後ろから押す力と同じです。

そして、その求め方は非常に簡単です。

トルクは、以下の様に柄の長さに力を掛けたものでした。

トルク=柄の長さ×力

ですので、力はトルクを柄の長さで割ってあげれば求められます。

力=トルク÷柄の長さ

クルマの場合、トルクをタイヤの半径で割れば駆動力を求められます。

駆動力=トルク÷タイヤの半径

ですので、タイヤの半径が30cmだとすると、タイヤの駆動力は以下の様になります。

駆動力=トルク÷タイヤの半径=20kgf・m÷0.3m≒67kgf

駆動力の単位は、トルクの単位である”kgf・m”を”m”で割ったので、力(フォース)の単位である”kgf”だけになり、これを図に表すと以下の様になります。


この場合、タイヤが地面を蹴る力が67kgfとなり、人がクルマを67kgfの力で押しているのと同じ事になります。

本項でのまとめとしては、駆動力はトルクをタイヤの半径で割れば求められるです。

なおこの駆動力がクルマに加わると、どれくらいの加速度になるかは、第6章:トルクと加速度の関係にてご説明します。

またクルマの場合、エンジンのトルクをトランスミッション等によって強めているのですが、詳しい事は第5章:走行性能曲線でご説明します。

それでは次に力の単位であるkgfと、最近良く目にするN(ニュートン)についてご説明します。

これを知れば、トルクについて全てを知った気になって頂いて良いと思います。




2-1. トルクの求め方と単位/第2章: トルクとは





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