ハスラーファンは決して読んではいけない
誰も書かなかったハスラーの欠点
2015/12/15 (火):発行
目次
はじめに
1位:乗り心地が最悪
2位:横揺れが大きい
3位:アイドリングストップ機構が最悪
4位:信号機が見えない
5位:斜め後方に死角あり
6位:スイッチが見えない
7位:温調パネルが最悪
8位:マニュアルが酷 (ひど)過ぎる
9位:燃費が悪い
10位:むかつくマルチインフォメーションディスプレイ
11位:タイヤが高い(2017/1/2 : 追記)
12位: フロントウィンドウに流れ落ちる水(2017/2/2 : 追記)
13位: ドア開閉の怪 (2017/3/28: 追記)
14位:ACCに戻せないエンジンスイッチ (2017/5/5: 追記)
15位:何とかならないかドア閉時の爆風 (2017/5/5: 追記)
16位:見つからない市販リアワイパー (2017/7/16: 追記)
17位:後席の背もたれが倒せない(2017/8/20: 追記
18位:ほのぼのクラクション(2017/8/20: 追記)
19位:どでかいヘッドレスト(2017/8/20: 追記)
20位:遥かなるサンバイザーとバニティーミラー(2018/5/8: 追記)
まとめ
1位:乗り心地が最悪
2位:横揺れが大きい
3位:アイドリングストップ機構が最悪
4位:信号機が見えない
5位:斜め後方に死角あり
6位:スイッチが見えない
7位:温調パネルが最悪
8位:マニュアルが酷 (ひど)過ぎる
9位:燃費が悪い
10位:むかつくマルチインフォメーションディスプレイ
11位:タイヤが高い(2017/1/2 : 追記)
12位: フロントウィンドウに流れ落ちる水(2017/2/2 : 追記)
13位: ドア開閉の怪 (2017/3/28: 追記)
14位:ACCに戻せないエンジンスイッチ (2017/5/5: 追記)
15位:何とかならないかドア閉時の爆風 (2017/5/5: 追記)
16位:見つからない市販リアワイパー (2017/7/16: 追記)
17位:後席の背もたれが倒せない(2017/8/20: 追記
18位:ほのぼのクラクション(2017/8/20: 追記)
19位:どでかいヘッドレスト(2017/8/20: 追記)
20位:遥かなるサンバイザーとバニティーミラー(2018/5/8: 追記)
まとめ
はじめに
2014年1月に発売されて以降、人気を博しているスズキハスラーですが、いざ乗ってみるとその乗り心地の悪さに呆れてしまいました。
おまけに信号機は見えないし、スイッチはとんでもない所にあるし、斜め後方は見えないし、アイドリングストップの完成度は低いし、温調パネルの操作性は最悪だし、今時こんなにできの悪いクルマが存在しているのかと。
ところがネットを調べてみると、美辞麗句の山とは言わないものの好意的な記事で溢れています。
このキュートな外観が、七難を隠しているのでしょうか?
それとも、第三者による認定も監査も一切受けていない自称モータージャーナリスト達が、大した下調べもせずに、メーカーから無料で借りた試乗車を数時間乗って、さも分かった様に剛性が高いだの、ステアリングに路面の状況が伝わるだのお決まりのフレーズを並び立てて、メーカーの意向に沿った根も葉もない嘘の情報を流しまくっているせいなのでしょうか。
となったら本サイトが外観や噂に惑わされる事なく、心を鬼にして冷静に且つ客観的にハスラーの短所を暴露するしかありません。
BMW i8、トヨタ86(スバルBRZ)、ホンダS660 に続く、クルマに関するネガティブ記事の第四弾です。
ハスラーの欠点をかなり端的に具体的に述べていますので、興味のある方のみお読み下さい。
なお当初10位で終わりのつもりだったのですが、本書の読者の方からも情報を頂いて、不定期ながら更新していますので、忘れた頃にまた覗いてみて頂ければ幸甚です。
1位:乗り心地が最悪
前記しました様に真っ先に挙げられる欠点は、その乗り心地の悪さでしょう。
先ず気になるのが、一般道を普通に走っていても、常に感じるゴツゴツした角のある振動です。
恐らく加速度計を付けて他車と比較すれば、確実に有意差が認められると思うのですが、どこの自動車雑誌もそこまではやる気はない様です。
3軸加速度計の振動データ
21世紀にもなって、未だに官能評価で乗り心地を云々する時代ではないと思うのですが、いかがでしょうか。
一部のモータージャーナリストなる方々の寸評では、後席の上下動が気になるとの指摘もありますが、同じ車内でありながら後席が揺れて、前席が快適などとは全くもってあり得ない話です。
中には以下の様に絶賛している記事まであります。
フロントサスペンションをややソフトに設定しつつ、スタビライザー (全車標準装備)で過大なロールを抑えながら、リアサスペンションではしっかりと踏ん張りを強めて車両の安定性を高めている。
165/60 R15とワゴンRから2ランク大きなタイヤを装着しているが、路面からの大きな入力に対してしなやかなに足が動くため不安定な挙動を見せることがない。
ここまで書かれると、もう絶句です。
所詮自動車メーカーから無料で車両を借りて(利益供与を受けて)記事を書いているのが自称モータージャーナリスト達ですから、いつも似た様なオベッカ寸評を組み合わせを変えてコピペしているいのでしょう。
ですが本書では、これから真反対な事を、じっくり述べさせて頂きます。
【タイヤサイズ】
このゴツゴツした振動について、真っ先に思いつくはタイヤサイズの影響です。
下の表は、ハスラーのベースとなったワゴンRおよび関連するスズキの軽自動車のタイヤサイズと主要諸元を比較したものです。
項目\車種 | ワゴンR |
ハスラー |
スティングレー |
ジムニー |
重量 | 790kg (-10kg) | 800kg | 820kg (+20kg) | 990kg (190kg) |
最低地上高 | 150mm (-30mm) FF、4WD共通 |
180mm (FF) 175mm (4WD) |
155mm (+25mm) | 200mm (+20mm) |
タイヤサイズ | 155/65R14 | 165/60R15 | 165/55R15 | 175/80R16 |
空気圧 | 280kPa | 250kPa | 280kPa | 140kPa / 180kPa |
タイヤ外径 | 557mm (-22mm) | 579mm | 563mm (+16mm) | 686mm (+107mm) |
馴染みのない方のために、タイヤサイズの見方について簡単にご説明すると、以下の様になります。
165 | / | 60 | R | 15 | |
| | | | | | | | ||
| | | | | | ホイールの直径 (15インチ) | ||
| | | | ラジアルタイヤ |
|||
| | 扁平率 (60%) |
||||
タイヤの幅 (165mm) |
ですので、ハスラーのタイヤを元になったワゴンRのタイヤと比べると、ホイールの直径が1インチ (25.4mm)増え、扁平率が5%小さくなり (5%平べったくなって)、タイヤの幅が10mm増えて、最終的に外径 (全体の直径)が22mm増えています。
ハスラーのタイヤの直径はワゴンRより22mm大きい
これに伴って、上図の様に4WDの場合最低地上高がワゴンRより25mm(FFの場合30mm)増えたのは、恐らくご存じの事と思います。
なお、残りの19mm (=FFの最低地上高30mm-タイヤの半径増加分11mm)については、サスペンションのバネの自然長を伸ばしたか、さもなければバネのレート (弾性係数)をアップしたのでしょう。
SUV風に仕立てるために、ホイールを1インチアップして見てくれ良くして、最低地上高をアップしたのはこのご時世なので仕方ないとして、他にワゴンRのタイヤと比べて気になる事はありませんでしょうか?
そうなのです。
ハスラーは、ホイールを1インチアップするのと同時に、扁平率を65%から60%に下げ、更にタイヤの幅を10mmも広げているのです。
変だと思われませんか?
扁平率を下げて、且つタイヤの幅を広げるのは、スポーツグレードのクルマに良く見られる変更です。
少し解説しますと、巷 (ちまた)でよくあるタイヤのインチアップとは、下の図の様にタイヤの外径を変えずに、ホイール径を大きくする事です。
これによってタイヤの横方向の変形を抑えてコーナリング特性を良くする、というのがタイヤショップの売り言葉ですが、一般道でサーキット並みの高速でカーブを曲がる様な事は決してありませんので、実態は愛車のドレスアップが主目的と思った方が妥当でしょう。
ですが、これに伴って路面からの衝撃を吸収するタイヤのサイドウォール (タイヤの厚み部分)の高さが減少するため、明らかに乗り心地が悪化するのです。
そう思ってまた上の表をよく見みると、ハスラーのタイヤ (165/60R15)は、むしろワゴンRの派生スポーツモデルであるスティングレーのタイヤサイズ (165/55R15)に近い事に気が付きます。
ハスラーのタイヤ (165/60R15)は、スティングレーのタイヤサイズ (165/55R15)に近い
スポーツモデルでしたら、乗り心地が悪くなるのは覚悟の上でしょうが、仮にも悪路走破を想定したSUVタイプに、さらに扁平率の小さなタイヤを履かせるとは何を考えているのでしょうか?
実際、悪路走行を主目的としたジムニーのタイヤ (175/80R16)は、扁平率を何と80%にまで高め(タイヤを厚くして)悪路における乗り心地の悪化を防いでいます。
恐らくスズキの設計者も、デザイン優先で選ばれたこのタイヤのために、ワゴンRよりサスペンションを柔らかくしたのでしょうが、タイヤで吸収できない細かい振動をサスペンションで補える訳がありません。
という訳で、ハスラーにおけるゴツゴツ感は、このタイヤサイズの選別の間違いによるものに間違いありません。
と思ったのですが、すみません。
さらに調べてみると、これは主原因ではありませんでした。
下の図は上の表の4車種のタイヤをイラスト化したものです。
ハスラーとワゴンRのタイヤの厚みは2mmしか違わない
これをご覧頂きます様に、ハスラーとワゴンRではタイヤ外形は22mm違うのですが、サイドウォールの高さ(タイヤの厚み)の差は2mmほどで殆ど差はありませんでした。
おまけに指定空気圧はワゴンRが280kPaなのに対して、ハスラーは250kPaと20%も低下させています。
タイヤの横幅は、乗り心地には左程影響しませんので、どうも乗り心地が悪いのはタイヤサイズを変更したせいではなく、元から (ベースのワゴンRから)悪い様です。
【エコタイヤ】
ではこのゴトゴト感の主原因は何かですが、どうも最近流行 (はやり)のエコタイヤにありそうです。
調べてみると、ハスラーにおいても、ワゴンRと同様のエコタイヤ (ダンロップのエナセーブEC300+)を履いています。
では、このエコタイヤがどうして省エネになり、且つ乗り心地が悪くなるのか、簡単に説明しておきましょう。
下の図にあります様に、タイヤが受ける抵抗は大きく分けて三つあります。
エコタイヤはタイヤ変形に伴うエネルギーロスを抑える
一つは空気抵抗、もう一つが接地摩擦、そして最後がタイヤ変形です。
往々にして、エコタイヤは接地摩擦を減らしていると思われがちですが、接地摩擦を減らしたら走らない止まらないと、とんでもない事になってしまいます。
ですので、代わりにタイヤ変形に伴うエネルギーロス (発熱)を抑えて燃費を良くしているのが、エコタイヤなのです。
タイヤ変形を抑えるとなると、自称モータージャーナリスト達は、空気圧を高めるとか、サイドウォールを固くするとか言うのでしょう。
もちろんそれも違います。
少し難しくなりますが、本来タイヤは路面からの衝撃をバネの様に受け止める機能と、そのバネが受け止めた衝撃 (エネルギー)を熱にして放出するダンパーの機能があります。
エコタイヤの場合、そのダンパーの機能を抑え込んでエネルギーロスを抑えているのです。
そのためにどうしているかと言えば、ゴムの中にシリカを混ぜて、ゴム間の結合を強固にしているのです。
ミシュランのシリカ結合の説明図
このため、エコタイヤは普通のタイヤに比べタイヤの弾性が上がり (分かり易く言えば跳ね易くなり)、結果的に乗り心地が悪化するのです。 (エコタイヤについてもっと知りたい方はこちらへ)
ハスラーの口コミ評価において、稀に”クルマが跳ねる様な感じがする”とは、正に的を得た表現です。
無知な自称モータージャーナリストの方々も、少しは見習ってほしいものです。
だったらサスペンションをもっと柔らかくすれば良いと思われるかもしれませんが、先ほどお伝えした様に本来タイヤが吸収すべき振幅が小さく、且つ短い周期の振動をサスペンションで抑えるのは殆ど不可能です。
という訳で、本書の結論です。
ハスラーで発生するゴツゴツ感は、エコタイヤを履いているのが主原因で、同じ様な問題は恐らくワゴンRでも発生している。
前述の通りハスラーの指定タイヤ空気圧はワゴンRより20%も低くしていますが、それでもこのゴツゴツ感は取りきれなかった模様です。
もしかしたら今後、ハスラーの乗り心地を良くするサスペンションなるものが売り出されるかもしれませんが、サスペンションを変えてもこの問題は解決しません。
これを解決するには、一般の加硫タイヤに履き替えるか、タイヤの空気が自然に抜けて多少ゴツゴツ感が改善される (かもしれない)のを気長に待つしかなさそうです。
さもなければ、思い切ってホィール毎タイヤを交換する手がありますので、これについては後程お伝えしたいと思います。
初っ端から熱く長く語らせて頂きましたが、続く欠点の第2位は、信じられないほどの横揺れです。
1位:乗り心地が最悪