一目で分かるスバルAWDシステムの違い
はじめに
BRZ以外、フルタイムAWDを用意するスバル車。
ACT-4を搭載したスバルXV
ところで、スバルのAWDシステムは以下の4種類がありますが、英語の略字を使っているので、一体何がどう違うのか素人にはさっぱり分かりません。
1. ACT-4 (アクティブトルクスプリット)
2. VTD-AWD (バリアブルトルクディストリビューション)
3. ビスカスLSD+センターデフ
4. DCCD-AWD(ドライバーコントロールセンターデフ)
2. VTD-AWD (バリアブルトルクディストリビューション)
3. ビスカスLSD+センターデフ
4. DCCD-AWD(ドライバーコントロールセンターデフ)
という訳で、この4種類の違いを分かり易く一覧表にして解説したいと思います。
一覧表
下の表をご覧頂きます様に、スバルのAWDシステムは、AT車の一般用と高出力用、MT車の一般用と高出力用に分かれています。
AT MT |
出力 | 車種 | AWD | 内容 |
AT | 一般 | AT車 全般 |
ACT-4 | 前後輪の駆動力配分のため、センターに電子制御カップリングを搭載。 通常は前後の重量比と同じ60:40の駆動力配分として、前寄り荷重の安定志向で、FFと同じアンダーステアー傾向を目指す。 路面や走行状態に応じて100:0の前輪駆動から50:50の4輪駆動まで可変する。 このため燃費を稼ぎたい高速走行では、フルタイムAWDと言いながらもFFで走行している可能性もある。 4種類のスバルAWDの中ではもっとも駆動配分比率の変動量が多きくて、最もマイルドで安定志向のAWDシステム。 |
高出力 | レヴォーグの2L車 WRX S4 |
VTD | エンジンの高出力化に対応するために、センターに複合遊星歯車(プラネタリーギヤ)式センターデフと電子制御LSD(油圧多板クラッチ)を搭載。 ACT-4は60:40の駆動配分による安定志向なのに対して、本VDTは基本駆動配分を45:55に設定。 これによって、クルマの旋回性能がFRの様にオーバーステア気味になり、回頭性と操縦性能を高めている。 ACT-4に対してスポーツ性を重視したAWDシステム。 |
|
MT | 一般 | MT車 全般 |
ビスカスLSD +センターデフ |
前後輪の駆動力配分のため、センターデフとビスカスLSDを搭載。 純粋に機械的でシンプルな構造と、常時4輪に駆動が掛かっている事から、スバルのWRX STIを除く全MT車に使われている。 センターデフのお蔭で舗装道路では前後の駆動力配分は50:50だが、一度前輪もしくは後輪が滑るとビスカスLSDが働き、他の車輪に駆動を伝える。 耐久性を重視したプロ仕様の悪路優先AWDシステム。 |
高出力 | インプレッサWRX STIのMT車 |
DCCD | 前後輪の駆動力配分のため、複合優勢歯車式センターデフと電子制御LSD搭載 VTDの前後駆動力配分が45:55だったのに対して、DCCD-AWDは41:59と更に後輪に駆動を掛けてFRに近い旋回性能を可能にしている。 さらにドライバーの好みに合わせて電子制御LSDの効きを手動で6段階に調整可能(オートも可能)にしている生粋のラリー用競技車両。 |
なお上記の内、ビスカスLSD+センターデフだけがビスカスLSD付きセンターデフ式フルタイム4WDで、他は全て電子制御フルタイム4WDになります。
まとめ
上の表をまとめると、以下の様になります。
AWDシステム | 特徴 |
---|---|
ACT-4 | AT車に搭載されている一番無難で安定志向のAWDシステム |
VTD | AT車でオンロードのスポーツ走行こだわりたい方(かた)向けのAWDシステム |
ビスカスLSD+ センターデフ |
悪路優先のMT車に搭載されている信頼性に優れたAWDシステム |
DCCD | ラリー向けに開発された高性能AWDシステム |
なおDCCDは明らかに競技用ですので、うっかり購入すると間違いなく宝の持ち腐れにないますので、ご注意を。
一目で分かるスバルAWDシステムの違い