小学生でも分かるトルクと馬力の話
(本当に早いクルマとは?)
第6章:トルクと加速度の関係
(ニュートンの第2法則を使って、トルクから加速度を求める)
2010/01: 発行
2017/04: 追記
2017/04: 追記
6-1. トルクから加速度を計算する方法
以前馬力を元にクルマのスピードを計算してみましたので、 今度はトルクを元に加速度を計算で求めてみましょう。
加速度を計算で求めるとなると、何やら難しい計算式が出る様に思われるかもしれませんが、実はこの方がもっと簡単なのです。
それこそ、小学生でもできます。
6-2. ニュートンの第2法則
基本の式は、リンゴで有名なニュートンの第2法則です。
力(フォース)=質量×加速度
上の式が何を意味するかと言うと、リンゴに重力が働いて下に落ちると習ったかもしれませんが、正確にはこうです。
リンゴの質量に加速度が加わる事で、重さとしての力を感じる。
これをもう少し詳しく述べると、上の図にあるリンゴが地面に落ちるのは、リンゴに重力(地面に引力)が掛っているためで、その重力(重さ)はリンゴの質量に加速度(重力加速度)を掛けると求められるという訳です。
ここで質量とは、リンゴの色や形と同じ様なもので、それ自体には重さはありませんが、この質量に加速度が掛って初めて重さが生じるという訳です。
これに気が付いたニュートンは本当にスゴイと思います。
もしこのときニュートンがそれに気が付かなかったら、私たちはまだ農耕生活を送っていたかもしれません。
と普段はこれでオシマイなのですが、この式にはもう一つ別の深い意味があります。
上記はリンゴと重力の垂直な関係でしたが、これを横(水平)にしてリンゴ に力を掛けると、リンゴはどんどん加速しながら転がっていく事を表しています。
リンゴを指で押せば、転がっていくのと同じです。
ただし感覚と少し違うのは、同じスピード(等速)コロコロで転がっていくのではなく、加速しながら転がっている事です。
例えば、リンゴをバネ測りを介して押したとして、バネ測りの指す値を一定にしようとすると、最初はゆっくり歩いていたのに、いつのまにか全力疾走している事で分かって頂けると思います。