小学生でも分かるトルクと馬力の話
(本当に早いクルマとは?)
2015/01:発行
2020/01:改訂
2020/01:改訂
第8章:燃費
3. 電気自動車の問題点
これも今更の話かもしれませんが、ここで電気自動車の問題点を確認しておきましょう。
なぜ普及しないのでしょう?
最近は車種も増え、価格も各種補助を入れればかなりこなれてきました。



USAで購入できる電気自動車とその価格
これはもう簡単でしょう。
原因は航続距離とインフラ(充電施設)と充電時間です。
【航続距離】
例えば三菱のi-MiEVでしたらメーカー公称の航続距離は170km、日産のリーフで280km、シボレーのボルトで380km、高価なテスラで500kmといった所です。

Chevrolet Bolt EV(380km)
燃料車でしたら満タンで通常500kmですので、300km以下となるとかなり頻繁に充電が必要ですし、少し遠出をしたとなると充電器を探しにそわそわしなければなりません。
【充電施設】
となると充電施設の数ですが、日本全国で大よそ1万か所との事です。

テスラ・モデルS(900万円~1800万円)
一方燃料スタンドの数は3.5万店です。
ですので、いざ充電施設を探したとすると、燃料スタンドの1/3程度の確率でしか見つからないと言えます。
ただしその数少ない充電器を先客が使っていたら、それから更に待たされる事になり、更に自車の充電に更に待たされる事になります。
では、どれくらい待たされるのでしょう?
【充電時間】
リーフの場合、急速充電器であれば30分で80%まで充電可能ですが、通常でしたら7時間程度が一般的です。

日産リーフの充電風景
ちなみに燃料の給油でしたら、実質3分ほどでしょう。
【まとめ】
自宅の近所や通勤程度に使うのでしたら全く問題は無いでしょうが、ちょっとドライブに出かけるのに航続距離を調べたり充電場所を調べておかなければいけないのは、かなりのストレスです。
ドライブに出かけたつもりが、気が付いたら充電器探しと充電完了待ちの旅に出かけたという事にもなりかねません。
色々な税制優遇があったとは言え、よく日産や三菱が、販売に踏み切ったなと思うほどです。
なお同じ距離を走った場合の費用を、燃料車と電気自動車で比べると、電気自動車の方が1/3程度安く済みます。
ですがこれで前述の不便を補う事は、どうみても不可能です。
結論としては、余程の理由が無い限り純粋な電気自動車は諦め、発電用エンジンを搭載したハイブリッド車を選択するのが賢明でしょう。
4. ハイブリッドシステムの種類と長短
となると、ハイブリッドシステムの種類とその長短と短所が知りたくなるのではないでしょうか?
これについてはいつか書き上げるとして、次に燃費に関して常識を覆す様な事をお伝えしたいと思いますので、是非覗いていって頂ければと思います。