小学生でも分かるトルクと馬力の話
(本当に早いクルマとは?)

2022/09/21: 発行

第11章:サスペンション



11-5. バネ下重量が軽い方が乗り心地が良くなるの大ウソ


何なんでしょうこの動画は。

スプリングとショックアブソーバーに関する動画

登場するのがいすゞの自動車で、いすゞの制服を着た人物が登場する所を見ると、恐らく1970年代にいすゞが作成した動画なのでしょう。

内容については、スプリングが地面からの衝撃を和らげ、ショックアブソーバーがその振動を熱に変えるというのは良いのですが、途中でとんでもない事を述べています。

ナレーションをそのまま文字に書き起こすと、以下の様になります。

”バネ下重量をなるべく小さく設計する。これが乗り心地の良いクルマの基本条件です。”

こんなバカな話は無いでしょう。

視聴回数を見ると、何と7万回を超えており、コメント欄を見ると概ね肯定的な評価です。

という事は、もしかしたら7万人もの方が、バネ下重量が小さいクルマはど、乗り心地が良いと洗脳された可能性があるという事です。

この先日本はどうなる事でしょう。

と言いながらも、依然そうだと思い込んでいる方もいらっしゃる事でしょう。

そんな訳で、早速そうではないとの解説をしてみたいと思います。

下は当該動画において、左側がバネの下に重いボール、右側がバネの上に重いボールを付けた場合の、上のボールの揺れ具合を示しています。


すると確かにバネ下のボールが軽い方(右側)が、揺れが小さくなっています。

ですが、常識のある方でしたら、少し考えてみれば分かるでしょう。

これはバネの下のボールが軽いからではなく、バネの上のボールが重いので、慣性で重いボールが動き難いからだと。

すなわち下側のボールの軽さなど一切関係なく、上側のボールの重さしか揺れの大小には関係しないのです。

このため、もし左右の下側のボールを両方重くしたら、当然ながら同じ様に上側のボールが重い方が揺れが小さくなります。

また思い切って下側のボールを抜いて、バネの下側を地面に付けて、地面を揺らしたらどうなるでしょう。

この場合も、当然ながら上側のボールが重い方が揺れが小さくなります。

よもやここまで説明して、下側のボールが軽い方が揺れが小さくなると思われる方はいらっしゃらないでしょう。

バネ下の重さなど、クルマの揺れには一切関係しないのです。




11-5. バネ下重量が軽い方が乗り心地が良くなるの大ウソ/第11章: サスペンション





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