小学生でも分かるトルクと馬力の話
(本当に早いクルマとは?)
2010/01: 発行
2019/07: 更新
2019/07: 更新
第2章:トルクとは
(トルクに関する物理の基礎)
2-3. 力の単位kgfとは
前章の説明で突然”kgf”と馴染みのない単位が出てきましたので、これも簡単に説明しておきましょう。
20kgfの" f "とは、force(フォース:力)の" f "を表しており、質量の単位である20kgと区別するために付いています。
両者(kgとkgf)の違いは以下の通りです。
例 | 種類 | 説明 |
---|---|---|
20kg | 質量 | 物体の質量を表しており、それだけでは重さはなく、いつでもどこでも一定です。 このため、地球上でも、月の上でも、無重力の宇宙でも20kgのままです。 |
20kgf | 力 | 物体に掛る力を表しており、地球上では20kgの物体に掛る力(重力)を表します。 このため、月ではもっと小さな力になり、無重力の宇宙ではゼロになります。 |
ただし、地球にいる限り20kgの物体には常に20kgfの力が掛りますので、両者は全く同じものと考えて頂いて構いません。
ですので、何もわざわざ分けて書く必要はないのですが、加速度の計算を行うとどうしても両者を分けて書く必要があり、本書も途中から力の場合正確に20kgfと書くように改めました。
という訳で、本書の場合下の表の様に重さ/重力/力/荷重の単位をkgfと書き、質量/重量をkgと書く事にしています。
単位 | 日本語 | |||
kgf | 重さ、重力、力、荷重 | |||
kg | 質量、重量 |
日常的には重さも重量も同じ様に使いますが、厳密には重さと重量は異なるものなのです。
ちなみに自動車のカタログには、重量として単位はkgになっており、電化製品等は質量と呼んで単位はgになっています。
もしこれらのカタログに”重さ”と書かれているものがあったら、(誰も気にしないでしょうが)知っている人が見ると、物理に詳しくない人が書いたと思われてしまいます。
2-4. ニュートン(N)とは
また最近では、国際的な決まり事として、力の単位をN(ニュートン)で表し、その補助としてkgfと書くのを推奨されているのですが、感覚的に分かり易いので本書ではこのままkgfで進めます。
ちなみにNとkgfの関係は以下の通りですので、クルマのカタログにニュートンが出てきたら、0.1倍すれば簡単にkgfに変換できます。
1N=0.1kgf(正確には0.102kgf)
例えば、エンジンのトルクが200N・mだとしたら、0.1倍して20kgf・m(正確には20.4kgf・m)と思えば大きな間違いではありません。
この1N=0.1kgfは、これからの人生で必ず必要になりますので、今すぐ覚えてしまいましょう。
また1kgfをNにすると以下の様になります。
1kgf=9.8N
ですので先ほどの表にニュートンの単位を加えると以下の様になります。
例 | 種類 | 説明 |
---|---|---|
20kg | 質量 | 物体の質量を表しており、それだけでは重さはなく、いつでもどこでも一定です。 このため、地球上でも、月の上でも、無重力の宇宙でも20kgのままです。 |
20kgf | 力 | 物体に掛る力を表しており、地球上では20kgの物に掛る力(重力)を表します。 このため、月ではもっと小さな力になり、無重力の宇宙ではゼロになります。 |
196N | 力 | 物体に掛る力を表しており、地球上では20kgの物に掛る力(重力)を表します。 このため、月ではもっと小さな力になり、無重力の宇宙ではゼロになります。 |
ちなみに力の大きさを測る測定器を校正する場合は、以下の様なニュートン分銅を使います。

10Nに対応するニュートン分銅(質量1020.7g)
また前述のトルクの図をニュートンで書き直すと以下の様になります。

ここだけの話ですが、手っ取り早い覚え方としてはf=9.8(正確には9.8 m/s2)と覚えておくと後々便利です。
とは言え、国際規格に早く慣れた方がグローバル化には有効かもしれないため、いつかN単位に全面改訂するかもしれません。
なおこの単位の元祖であるニュートンが発見した運動の第二法則については、今後第6章:トルクと加速度の関係で更に詳しく述べる事になります。

本当にリンゴが落ちるのを見て思い付いたかどうかは不明ですが、質量に加速度を掛けると力になると良くぞ思い付いてくれたものです。
もしニュートンが17世紀(1665年)に万有引力を発見していなければ、私たちはまだクルマを手に入れていなかったかもしれないのです。
さて最後に復習です。
1ニュートンは、何kgfだったでしょう?
1ニュートンは、0.1kgfです。
ニュートンとkgfを変換する事は、これから技術系の仕事をするとしばしば発生しますので、必ず役に立つと思います。
kgfとNが分かった所で、次は単位の書き方について述べたいと思います。
恐らく学校の先生も知らない話もありますので、是非覗いてみて下さい。