小学生でも分かるトルクと馬力の話
(本当に早いクルマとは?)

2010/01:発行
2016/05:追記

第3章: 馬力とは
(馬力が分かれば、スピードが分かる)



3-4. 馬力とワットの関係


馬力が分かった所で、馬力と電力の関係にも簡単に触れておきたいと思います。

         
    馬一頭   1馬力エンジン   735Wモータ    735Wヒータ   735W電球

上図の様に、馬一頭と1馬力のエンジンと735Wのモータとヒータと電球がありました。 どんな関係があるのでしょうか?

左の3品を見て薄々気が付かれたと思うのですが、上図は全て同じ1馬力のパワーを持っているのです。

馬、エンジン、モータは良いとして、ヒータや電球は馬力とは関係ないだろうと思われるのではないでしょうか?

実はどれも走ったり、回転したり、熱くなったり、光ったりする事で、最終的に1馬力に相当する熱を作っているのです。
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だからどうだと言われそうですが、1馬力とは735Wの電気のパワーと同じだと知っておけば、いつか役に立つかもしれません。

ついでに言っておくと、とにかく人間が何かすれば、熱を出して地球を暖めているのです。




3-5. 人間の馬力


既に何度か触れていますが、それでは人間の馬力がどれくらいかを、まとめを兼ねて場合に分けて考えてみましょう。

【短時間の場合】

1馬力は、重さ75kgの物体を1秒間に1m持ち上げる力を指します。

一般的な成人でしたら20kg程度でしたら(腰を痛めないで)、エイヤーと1秒以内に1mの高さまで持ち上げられますので、この場合でしたら、成人の馬力は0.3馬力(=20kg/75kg×馬力)と言えます。

ただしオリンピックの重量挙げの選手の様に、瞬間的に300kgのバーベルを1m以上持ち上げる人も居ますので、この場合の瞬間的(それを1秒とすると)な馬力は4馬力(300kg÷75kg×1馬力)になります。


図3: 300kgのバーベルを1秒間に1m持ち上げると4馬力

【1時間の場合】

次に普通の大人でしたら、下の図において何kgfの抵抗のある台車を引き続ける事ができるでしょうか?


図1

おそらく重りが20kgfで1時間以上引き続けるのは大人でもかなり難しいと思いますが、15kgf程度の重さでしたら、歩くスピードで何とか引き続ける事は可能ではないかと思います。

だとしますと、人間は1時間で15kgf相当の重さを時速4km(徒歩の場合、1時間に約4km進めます)で移動できる事になります。

一方1馬力は、1時間で75kgfの物を3.6km移動できる事になりますので、これを比例計算すると、人間の馬力は0.2馬力(=15kgf×4km÷75kgf÷3.6km)という事になります。

時間 短時間 1時間
タイプ 普通の大人 オリンピック選手 普通の大人
馬力 0.3馬力 4馬力 0.2馬力

馬が1馬力である事を考えると、おおよそ妥当な数値ではないでしょうか?

またクルマの場合、軽自動車でも64馬力もありますので、単純計算ですが同じ時間内に普通の大人の320倍(=64馬力/0.2馬力)もの仕事をしてくれる事になります。

軽自動車でも人の320倍の馬力と聞くと、かなり驚きませんでしょうか?




3-4. 馬力とワットの関係/第3章: 馬力とは





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