試乗記を批評しながらBMW i8の謎に迫る
(試乗した事が無い奴に何が分かる vs お前が試乗して何が分かる)

Issued on Jan. 14, 2015
Revised on Mar. 13, 2015

目次




4. 走行性能(横にクルマが移動している錯覚を生むほどの旋回力?)


【まるで横に移動するようなコーナーリング】

 ここまで軽さにこだわるのは、効率とダイナミクス性能の双方を追求するためだ。i8はBMWグループ初のプラグイン・ハイブリッドモデル。外部からの充電が可能で、フル充電で35kmのモーター走行ができる。


ここも説明不足です。

こう書かれると、充電できるのは外部のコンセントからだけだと思われませんか?

とんでもない。充電量が減れば、エンジン出力によって自動的に充電されます。

 約200kgのPHVユニットの重量増へ対処するために、乗員スペースを軽量なカーボンでつくり、車両重量を1485kgに抑えることに成功。しかも、バッテリーなどの重量物をクルマの低い部分に配置して、低重心化と走りのバランスを向上させる前後重量バランスの最適化も実現している。数値を見てもi8はBMWのラインナップで最も“腰を落とした”重心高460mm以下となっているのだ。

恐らく重心高460mm以下と聞いて、それは画期的な事なのか、はたまた普通の事なのか判断できる人は居ないと思います。

比較の対象が無いと、誰も良し悪しの判断はできないのです。

ちなみに水平対向エンジンを積んで、低重心を売りにしているトヨタ86の重心高は、同じく460mmですので、ここは確かに評価して良いと思います。

 このi8で開発された技術は、後にBMWの他のモデルへ展開されるだろう。スポーツ性能を突き詰めたMモデルの技術によって通常のBMWモデルの走りが磨かれるように、効率向上技術の追求として、iは今後、BMWの車両開発の重要な役割を担うことになる。

この記述については、逆の意味で筆者も全く同感です。

どう同感かについては、まもなく分かって頂けると思います。

 そのルックスからも地面にベタッと張り付くイメージがあるが、i8の実際の動きはそれ以上だ。重心の低さにより、カーブではクルマが傾く感覚がとても少なく、路面に吸い付くような感覚と共に、横にクルマが移動している錯覚を生むほどの旋回力を生む。

ここです。私がこの批評記事を書こうと決意した箇所は、ここです。

皆さんは、この日本語は分かりますか?

横にクルマが移動している錯覚を生むほどの旋回力を生む

何なんでしょう? 

”横に移動する”となると、列車の壁側シートに座っている感じという事でしょうか?

列車が等速で走っていれば何も感じないので、恐らく列車が加速している最中の横に倒れそうな感覚を言っているのでしょうか。

だとしたら、全てのクルマがカーブを曲がれば、遠心力によって横に倒れる力を受けます。

ただし、その力がどんなに強くても、横に移動していると感じるとは到底思えません。

実際遊園地の回転式ブランコに乗っても、回転していると感じるものの、よもや横に動いているとは全く感じません。


一体このレポーターは、本当にそんな非現実的な事を感じたのでしょうか?

感覚的な事なので100%有り得ないとは言いませんが、もしこの記事を読まれた方で、強い遠心力を受けて、横に移動している錯覚を感じた方は、是非お便りを頂けます様お願い致します。

なお、”重心の低さにより、カーブではクルマが傾く感覚がとても少なく”とありますが、もう一つ大事な要素を見逃しています。

それは、車幅です。

重心の高さは同じでも、車幅(正確には左右車輪の間隔)が広い事により、トヨタ86よりi8の方がより傾き難いのです。


しかも前後バランスが良いためか、クルマ自らが乱れたバランスさえも収めてしまうのだ。

この記述は、間違いなく誤りだと断言できます。

クルマの前後バランスが良いと、車両の左右の揺れを抑える事など、理論的にあり得ません。

 興味深いことに、タイヤは特に太くはない。むしろ、軽量化と低重心と重量バランスの良さにより、タイヤを太くした様な安心感とドッシリ感が生み出され、i8が紛れも無いスポーツカーであることを実感させられるのだ。

タイヤのが太ければ、安心感とドッシリ感を感じると言う事自体、このレポータの知識不足を感じます。

i8の場合、標準タイヤで前195/50R20、後215/45R20です。

重さが1500kg程度であれば妥当なサイズです。これ以上大きければ、弊害の方が大きくなります。

ただし前後で異なるサイズというのが許せません。

このぐらいの値段のクルマでしたら、経済性よりも見てくれの方が大事なのかもしれませんが、前後荷重比を50対50を標榜するのでしたら、前後同じサイズで良い筈です。

また耐久性を考えれば、むしろ操舵輪である前輪の方が摩耗し易い筈です。

合理的なゲルマン魂はどこへ行ってしまったのでしょう。

後輪が太い方がスポーツカーらしい、という営業サイドの主張に押し切られたのでしょうか??

それとも、人や荷物が多く乗ると後輪が重くなるとの配慮からでしょうか?

 もちろん、このスポーティな走りを100%味わうべく、i8のシート形状は適度なタイト感があり、センターコンソールはドライバー側に12度傾けられて“コクピット感”が演出されている。さらに言えば、前方見切り性能が良いわりに、特別なクルマを運転している感覚を絶えず感じられるのも魅力だ。




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3. 外観




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