横並びで比較する
雪道に強い4WDシステムとは
Issued on Jan. 22, 2017
Added on Dec. 3, 2017
Added on Dec. 3, 2017
目次
6) パッシブ・オンデマンド4WD
今までに最も採用例が多いであろうと思われる4WDシステムが、ビスカスカップリングを搭載したパッシブ・オンデマンド4WDです。
FFベースのパッシブ・オンデマンド4WD
(読者の方より横置きエンジンの絵を提供頂きました)
パッシブ・オンデマンド4WDとは、通常は2輪駆動で、一旦悪路に入って駆動輪が滑りだすと、駆動を後輪にも伝えて4輪駆動になる(理論上100:0から50:50まで可変)というものです。
すなわち、通常は2輪駆動で必要なときだけ4輪駆動になるためオンデマンド(要求に応じて)と呼び、更に4輪駆動になるタイミングは駆動輪が滑り出してからのため、パッシブ(受動的)と呼ばれる訳です。
次にビスカスカップリングがどういう働きをするかですが、入力側のシャフトと出力側のシャフトが同じ速度で回っている分には何もしません。
ビスカスカップリング
ですが、万一両者に差が生じたら、遅い方により駆動を伝えるいう働きをします。
このため、もしFFベースのパッシブ・オンデマンド4WDでしたら、雪道に入って前輪が滑り出したら(後輪より早く回転したら)、このビスカスカップリングは前後輪の回転数が同じになるまで後輪に駆動を掛けるという訳です。
最近では徐々に後述のアクティブ・オンデマンド4WDに変わってきていますが、コストを掛けられない軽自動車はまだこの形式の4WDシステムを使っています。
パッシブ・オンデマンド4WDのスズキ・ハスラー
なお一部のネット記事で、本駆動システムで4WDになるのは、前輪が空転してからとありますが、それは間違いで、前輪が少しでも後輪より早く回転すれば後輪に駆動を伝えます。
ですので、カーブにおいても前輪の方が後輪より回転速度は早いので、後輪に駆動を伝えて4WDになっています。
とは言え、前述の前後輪直結4WDと比べれば4WDになるのにタイムラグがあるのは事実ですので、本システムの雪道走破性は、レベル6としたいと思います。
ただしグレードによってはグリップコントロールと呼ぶ空転したタイヤにブレーキを掛けて片方のタイヤに駆動を伝える機能が標準で付きますので、その場合は一気にレベル10まで上げたいと思います。
6) パッシブ・オンデマンド4WD