横並びで比較する
雪道に強い4WDシステムとは
Issued on Jan. 22, 2017
Added on Dec. 03, 2018
Added on Dec. 03, 2018
目次
9. 電子制御フルタイム4WD
9-2) スバルのVTD-AWD(バリアブル・トルク・ディストリビューション)
異色なのは、スバルのハイパフォーマンスATに搭載されているVTD-AWD(バリアブル・トルク・ディストリビューション)と呼ばれる可変&不等トルク配分電子制御AWDです。
スバルのバリアブル・トルク・ディストリビューション(VTD-AWD)
これは現在、スバルのレヴォーグ(2.0L車)とWRX S4にしか搭載されていません。
スバルレヴォーグ
先にご紹介したACT-4は、通常の駆動力配分は重量配分の60:40と前輪寄りの安定志向ですが、これでしたらFF同様にアンダーステアー傾向になります。
スバルAWDの系譜
これに対して、エンジンの高出力化に対応するために、センターデフに複合遊星歯車(プラネタリーギヤ)と電子制御LSD(油圧多板クラッチ)を用い、前後輪の基本となる駆動配分を45:55にしたのがVTD-AWDです。
VTDのトランスミッション断面図
外径の異なる二つの遊星歯車によって前後輪のトルクを45:55に配分している
これによって、クルマの旋回性能がFRの様にオーバーステア気味になり、回頭性と操縦性能を高めています。
なおこれだけですと、オープンデフと同じ様に前後輪のどちらかが空転すると、全てのトルクが空転車輪側に掛かってしまいますので、電子制御LSD(油圧多板クラッチ)によってそれを抑える構造になっています。
なお雪道の走破性に関しては、X-MODEを搭載していますのでレベル13にしたいと思います。
9-2) スバルのバリアブル・トルク・ディストリビューション(VTD-AWD)